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単糸と双糸の長さの話

 2023-06-20
天秤式 足踏み織機の使い方講座、二日目の実習は皆さんさくさくやれていて、時間に余裕があったので、素材の話とかまでしてもらいました。

その際、番手の話になりました。
毛番手は1gで1mの長さを1番手と言うからわかりやすいけど、麻番手は1ポンドで300ヤードを1番手、綿番手は1ポンドで長さが840ヤードを1番手と言うからわかりづらい、と…。しかも綿の場合は番手/糸の本数の順で書きますが、麻・毛の場合は糸の本数/番手なんですよね…。わかりづらい。

麻番手と綿番手の毛番手(メートル番手)への変換式の話にもなりました。(参加者の方がその場で調べてくれました)
綿は×1.693365、麻は×0.604772。

それで糸量の計算の話で「2/14番手のウールは、1/7ってことだから、100gあったら、700mで…」という話になった時に、前々からもやもやしていたことを思い出してしまい…。
いや、1/14番手の糸が100gあった場合1400mだけど、それを双糸にしたら、厳密には700mより短くなると思うんですよ!
(気にするほどじゃないってことですが)

しかしせっかくなので(帰宅してから)ちょっと考えました。
糸の長さ

上の図は、赤い糸と青い糸で双糸にしているのを表しているつもりです。まあこんなかくかくじゃないですが…。模式図なので!
この一個分の×を取り出して考えると、斜めが単糸の長さで、底辺(?)が双糸の長さです。
下の図でいうと、緑が単糸の長さで、黄色が双糸の長さということになります。

(下の図の左側)角度が45度だったら、1:1:√2だから、緑が1の時、黄色は√2/2なので0.707位ですかね。
考えやすいところで、もう一個。
(下の図の右側)角度が30度だったら、1:2:√3だから、緑が1の時、黄色は√3/2なので0.866位ですかね。

成程、緑 分の 黄色 かあ…。あれ、それはcosじゃないですか。
おお!三角関数表の出番!

検索したら 見やすい!三角関数表 - 角度に対する sin, cos, tan の値 などがヒットしました。
これによるとcos45は0.7071、cos30は0.8660。

『ホームスパンテクニック』によると、中程度の撚りは20度だそうです。この本に書いてあるのは単糸での話なので、双糸で撚り合わせるときはまた違うのかもしれませんが、仮に20度で撚り合わせるとしたら、cos20は0.9397なので、単糸と双糸の長さは1割も違わないですね。100mの単糸2本からは、94m位の双糸ができる、ということになるのではないかと…。

逆に言うと、単糸の時の長さと、双糸の時の長さを測ったら、どのくらいの平均角度で撚り合わせたかが、三角関数表でわかりますかね(笑)。(太さとかかくかくではなく曲線であることとか全く想定していませんが)

※ 書き終えた後に、ちょっと調べたら、最初の撚り(つまり単糸を作る撚り)を下撚り、引き揃えた後の撚りを上撚りと言うそうですが、上撚りの方が下撚りより、撚り数が少ないものみたいです。 http://www.fukunen.jp/about_twine/twine.phpより。ということは、単糸との差はもっと減りますね。
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カテゴリ : その他 トラックバック(-) コメント(4)
コメント
三角関数まで登場させるリコさん、さすがです!

単糸と双糸の長さと糸番の関係は、私も疑問に思ったことがあったけれど、私の思考はそこでストップ💦

ところで、下撚りと上撚りの撚り数の話を読んでいて、ふと思いついたことがあります。単糸を双糸にするときは、単糸の撚りとは撚りが逆方向だから、もともとの単糸の撚り自体はゆるくなる。ということは、撚り合わせることで短くなる分はありそうだけれど、もともとの単糸自体が長くなって、結局たいして変わらない…ってことありますかね??

ねじねじして房を作るときのことを思い出したんですよ。最初のねじねじでギュッとつまる。でも2本のねじねじを合わせるとお互い撚りが戻って最初のギュッとしたねじねじよりは長くなる(…気がする。きちんと測ったことないからあくまで想像)


厳密に計算したら、恐ろしく複雑な世界なのでしょうね(リンクの論文を開いてみましたが、すぐに閉じました…)

引っ張り加減で違うというのも気になっていたことです。特に伸びる素材だと、どの状態で測ったものが糸番とされているのかよく分からなくて。スタンダードがあるものなのでしょうか?
【2023/06/23 07:53】 | Kuukkeli #- | [edit]
Kuukkeliさん、
コメントありがとうございます。
1:1:√2と1:2:√3はわかるんですよ!(笑)
それでやってたら「あれつまりcosじゃん」になったという。

えーと見ていると眠くなる(笑)論文の最後の方の表を見ると、スフと綿の結果しかないんですが、上撚り係数をあげていくと、マイナスだった撚りちぢみがプラスになっていくんですよね。(下撚り係数が大きい場合、プラスにならずマイナスのままのこともある)
「撚り縮む」のマイナスってことは、伸びるってことですよね?多分。
つまり、下撚りが強いと上撚りによって伸びる、上撚りも強くしていくと、伸びが少なくなってくる。
下撚りがそんなに強くないと、上撚りを強くしていくことで、縮む方が大きくなる…、という解釈でいいんですかね、あの表は…。


糸番のスタンダード…JIS規格らしいものは見つけました。
https://kikakurui.com/l/L1095-2010-01.html

長さは、「糸が伸長せず,真っすぐになる程度の荷重」をかけた状態のものらしいです。
【2023/06/23 22:52】 | Riko #- | [edit]
あの論文を見て、私は眠くなる以前に脳内が?????で満たされてしまっただけなのですが、でも言われてみれば確かに。

スタンダードは、産業規格を調べてみればよかったのですね。ネットで普通に検索しても、糸番について一般的な説明があたるだけで、伸縮しやすい毛糸とかはどんな状態で測るのが標準なのかずっと疑問でした。Rikoさんのおかげでそれも解決です。ありがとうございます!!
【2023/06/24 16:18】 | Kuukkeli #- | [edit]
Kuukkeliさん、
いやいや、私もKuukkeliさんからコメントいただいた後に終わりまで見たんですけどね(笑)。そしたらマイナスまでグラフがあったから、なるほど元の単糸より伸びることもある!と目から鱗でした。
【2023/06/25 03:53】 | Riko #- | [edit]












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