『アッシュフォードの綜絖 おさ式織物の本』
2006-04-10
アッシュフォードの 綜絖 おさ式織物の本 ロウィーナ・ハート 2002年5月 日本語版発行 |
ISBNコードはあるのですが、Amazonでは見つけられませんでした。
私はユザワヤで購入しましたが、アナンダさんでも取り扱っておられます。
中級、に、位置づけてみたものの、織り方としては別に難しいわけではありません。平織りですし。ただ、全くの初心者の人がこの本だけを見て織れるかというと疑問を感じるので(後述しますが、訳の問題だけなのかもしれませんが)、一応カテゴリ=入門書的にはしないでおきます。
# レノレースは平織りでなく、ちょっと特殊な織り方です。
この本を店頭で見かけた時、作ってみたい作品(クローク)が載っていたにもかかわらず、買おうとは思いませんでした。
織りとしては平織りばかりで、まあ本がなくても織れるし、と思ったのと、あまり私が興味を持っていないタペストリー作成がメインに思えたこと、そして何より日本語訳が「………………」だったのが原因です。
だってまずタイトル。上述通り、三行になっていて、「綜絖」だけが大きな字なんですよ。これでは「アッシュフォードの綜絖――おさ式織物の本」としか思えません。綜絖の本……。そしておさ式織物って何?
「……多分、綜絖筬式織物の本って言いたくて、きっと原題はリジットヘドルなんちゃらだったりするのでは……」と思っていたら。
案の定原題は『The Ashford Book Rigid Heddle Weaving』でした。
なのに中では、一々綜絖筬とか書いてなくて「リジットヘドル」って書いてあるんですよ。だったら表紙もリジットヘドルにすればいいのに……。
# ちなみにRigid Heddleは日本では「リジットヘドル」か「筬綜
# 絖」と訳してあるものが多いと思われます。
それに題名は「アッシュフォード」なのに、内表紙ほか本文では「アシュフォード」だったり、バタフライを一々「蝶」と訳してあったり(私は、バタフライとよんでいるものしか見たことがないですが、「蝶」と言っている例もあるのでしょうか?)、説明文中には2/8番手と書いてあるのに、糸の説明では8/2番手と書いてあったり(どっちなんでしょう)。
普通に見直しをしたとすら思えませんが、更に織りに詳しい人がチェックしたとも思えません。織りを知らない英語が堪能な人が訳したのなら、最後に織りに詳しい人がチェックすべきだと思うのですが。
さて、そんな事情で買ってなかったこの本ですが、第五回東京スピニングパーティーで著者であるロウィーナさんの「タピストリーウィービング」に参加して、タペストリーもまあ面白いかと思ったことと、これも縁かと思ったことから、購入しました。
日本の本とは大分趣が違うという意味で、面白いとは思います。やたらカラフルですし。
- 本の中で使用している織り機
- アシュフォード リジッドヘドル機
- 作っているもの
- カラフルなスカーフ
- タペストリーを作る方法でコースターとクッション
- ウールフリース(羊毛の毛束)を用いたラグ
- 原毛をところどころ緯糸に使ったクッション
- クローク
- 織った後に絞りをしたランチョンマット
- 絹のスカーフ
- 色々な素材を緯糸に
- ハンドタオル
- レノレースのスカーフ
- カラフルなスカーフ
ところで先日、店頭でこの本を見かけましたところ、表紙のタイトルが変わっていました。原題のままにして、副題として日本語の題名をつけたようです。……タイトルがあまりにもあまりだと思い直したのでしょうか。
なので、中身も直っているのかしらと確認したところ、相変わらずアシュフォードだったりアッシュフォードだったりしていたし、蝶だし、8/2だか2/8だか不明でした。
で、さんざん文句を言ったのですが、とりあえず海外の織りの本が日本語訳されたという意味で、意義がある本だとは思っています。
- 参考用語
- あ行:筬
か行:原毛
さ行:絞り、綜絖
は行:バタフライ、番手、平織り、フリース
や行:緯糸
ら行:リジットヘドル、リジットヘドル機、レノレース
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