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『糸から布へ―編む・もじる・組む・交差する・織る技法』

 2020-07-13
先日でかい本として『The Techniques of Tablet Weaving』を紹介しましたが、厚い本といえばこれでしょう。


いや、厚さでいえば『世界の織機と織物』の方が勝っているかもしれません。しかし、『世界の織機と織物』は、ちょっと厚めの紙で、全部で400頁くらいです。A5ですし。
『糸から布へ―編む・もじる・組む・交差する・織る技法』は、上質紙かなーという紙で、本文だけで493頁です。そしてB5です。すごいです。
ただ、『The Techniques of Tablet Weaving』と違って字は大きいです。
最初に読んだ時、ワープロ専用機で出力した文字でそのまま印刷した感じ?と思ったくらいです。いや昔のワープロ専用機って特定のサイズの文字しか出力できなかったんですよね…。サイズを変えようとすると縦倍角か横倍角か四倍角しかなかったり…。

字は大きいですが(読みやすくて助かります)、ページ数だけあって内容は濃いです。確か『世界の織機と織物』と同時期に入手したんだと思いますが、この2冊があったら、世界の織物を知るには最強なのではないかと思ったものです…。

ざっと目次を紹介します。

  • 編という日本語を考える~編・もじり・織の関係~
    • リンキング
    • ルーピング
    • インタールーピング

  • もじり
    • 緯もじり
    • 斜めもじり
    • 経もじり

  • 交差
    • 斜め交差
    • たて・よこ交差

  • 機と織
    • 割り箸で作る機
    • 整経の方法
    • 綜絖
    • 錘下げ竪機
    • 先史時代の布
    • 綜絖の出現

  • 技法と説明(ちょっと内容の構造がわかりづらいんですが、これまでに出てきたうちの技法をいくつか紹介しているようです)
    • 組紐
    • スプラング技法
    • 結び技法
    • 結び編であるマクラメ技法
    • レース
    • バスケット
    • カード織
    • プライ スプリット技法
    • 刺繍
    • 北米インディアンの文化圏


「技法と説明」のところにも注意書きしましたが、全体的に見てもちょっと構造がわかりづらいんです。何故、「編」に並んで「機と織」なのか。「織」ならわかるんですけどね??
…と思ったら、あとがきに、布の分類は「編・もじり・交差」にしたら分類できた、とあるから、「編・もじり・交差」がある意味「布の分類」という一つの章で、「機と織」でもう一つの章、「技法と説明」でもう一つの章…なのかもしれません。「織」だって「交差」に含められますしね。

まあそんなこんなで構造は謎ですが、しかし「糸」が「布」になる手法を全部網羅しようという勢いが素晴らしい。
しかも、日本語でやってるとわけがわからなくなる、「編む」なのか「織る」なのかについてを最初に書いているのも、個人的にナイスです。

端から端まで読んだわけではないですが(どちらかというと辞書的に使っています)、わかるところで言うと、カード織り。これについての記述が深いので、全体の内容も深いんだろうなと思います。何しろこの本、「斜線軸ひねり」についての記述まであるんですよ。
カード織りについての記述は、「機と織」の「綜絖」の中の2ページ、および、「技法と説明」の中の10ページだけですが(注:後で見直したら、「錘下げ竪機」の中にもう何ページかありました)、『The Techniques of Tablet Weaving』を読むにあたっては、日下部啓子さんの『カード織を理解するために』と並んで役に立ってくれそうな気がします。(っていうか、『糸から布へ』のカード織についての記述は、『カード織を理解するために』のもとである染色αを参考にしたものっぽいのですが…)

全般に(手書きの)図もたくさんあって、一生懸命説明しようとされているのをひしひしと感じます。読み応えのある本だと思いますね。

ただこの本、すっごく残念な点があって。
索引が欲しかったなあ…。
辞書的に使うには特に…。

あとヘッダーに章題が入ってるともっと見やすかったですね…。

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