『世界の織機と織物』
2012-11-28
あちこちのブログで絶賛されていたみんぱくの『世界の織機と織物』展。大阪なのでどうしようかと思いましたが、11/25にえいやっと行ってきました。日ごろ貧乏旅行ばっかりしていますが、今回は日程が厳しかったので、行きも帰りも新幹線の日帰りという、私にしては贅沢な旅でした。
朝六時過ぎに家を出て、みんぱくに辿り着いたのが、11時過ぎ。間違えて自販機でみんぱくの常設展のチケットを買ってしまったのですが。

もしかして特別展のチケットを普通に買うと、ほかのと同様、太陽の塔の写真のチケット(写真右)なだけですね?
私は太陽の塔の写真がついた常設展のチケットを持って、特別展示館に行って、「お直り券」(写真左)というものを発行してもらったのですが、そっちのチケットは特別展のポスターの写真と同じ写真だったので、ちょっと嬉しかったです。間違えて正解だったかも(笑)。
さて、展示ですが。概ね、織りかけのものがかかっている機(人形が織っている様子を示している)、その機で織ったものが展示されていまして、場合によっては、その機の傍でその土地の人がその織機で織っている映像が流れていました。
あれだけ、一度に機を見る機会はそうそうないんじゃないかなと。
あと映像も貴重。ものによっては織機の構造や織り物の構造がCGで表された映像も入っていまして、大変わかりやすかったです。
あれ、資料として、まとめないんですかね……。カタログとかないかなーと思いましたが、全然ありませんでした。学術的な報告書としてはまとめるかもしれないようですが(月刊みんぱく8月号による)。
まあ、手元に資料としてあるのも有難いですが、それよりやはり、実物を何度も見られる状態になっているとより有難いですけどね。常設展示されるのは難しいのでしょうか……。
展示について、難点を述べるとすれば、スペースの問題だと思いますが、説明書きがどれについての説明書きなのかわかりにくいものがあったことです。
あと、織機を置く都合上仕方がないのかもしれませんが、映像や織物などがほとんど床に配置されていたので、じっくり見て回ったら腰に来ました(苦笑)。しゃがみこまないとよく見えないんですもの……。
さて、からだ機、手機、足機……を見て。身体が痛くなりそう、と思いました。相当無理な格好で織ると思われます。
織りの素材を見て。……人間なんでも糸にするのねーと思いました。まずびっくりしたのがリュウゼツランです。東南アジアで糸として使うらしい。まあ葉っぱから繊維を取り出すのは普通の行為なのかもしれませんが。
しかし、ツキノワグマの毛。……これを糸として使ったのは日本人らしいです。……やるな、日本人。
イタリアでは、タイラギガイという貝の足糸も使うらしいです。……なぜそんなものまで……。
しかし一番驚いたのは、ヤマアラシの針毛! これ、織機の案内のところで映像も見たんですが、どうも、染めたものをはさみこんで、柄にするために使っているようです。見たところビーズ織りみたいな出来上がりでした。でも反対側は、とげとげ出たままなんですよ。剣山みたいなものが出来上がります。……装身具だったと思うのですが、どうやって使うのでしょうか……。柄が出るように巻くとしたら、針が当たって痛いのでは……。
あとは、杭機のところで、綾織りのチェックを見て「おお?」と思いました。原始的な織機って、基本平織りばっかりかと思ったらとんでもない。ちゃんと綾織りもしていました。
そして色々な織機を見て。柄を出すのは……結局のところ根性なのね!と思いました……。根性……私には持ち合わせがありません……。
あと、世界各地で結局大体同じような構造の織機なんですかね。ある程度伝播したのか、それともそのようにしか発展のしようがないからなのでしょうか。
1階、2階を一通り見た後、「進化した織機」のコーナーを見に本館に行きました。豊田式人力織機については、豊田佐吉記念館で体験させてもらったタイプの織機だったように思います。
それからそのまま本館2階の常設展に行きました。常設展でも織機や染め関係のものもありました。しかも、特別展は触るのも写真も禁止ですが、常設展は写真OK、手前にあるものは触ってもOK。
織機もいくつか見ましたが、一番気になったのは雲南の絞り藍染めのコーナーでしょうか。蝶絞りの技法の説明が、途中経過の布付きであったんですが……、何をどう絞るのかよくわかりませんでした。……試してみるしか?……いや多分やりませんね……。
ショップにも寄りました。

前述どおり、特に今回の展示のカタログのようなものはなかったのですが、月刊みんぱく8月号で、特別展の予告のような記事が載っていましたので、それを購入。あと、スピナッツ79号の抜粋号(原始機の構造がよくわかる号)、81号の抜粋号(カード織りの特集号)、Y字リリアン、お土産に「みんぱくクッキー」を購入。
そんなわけで本当にピンポイントでみんぱくにだけ行った旅でした。時間的余裕がなかっただけですが。何しろ往復10時間。
最後にせっかく大阪万博記念公園なので、この写真を。

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栗の渋皮で染めたポロワスを紡ぐ
2012-11-23
10月は週末によく染めていたのですが。11月は何だか外出が多くて染める余裕がありません。どころか買ったハンディールームに触れてさえいません(涙)。ですが、会社では昼休みがあるわけで、スピンドルによる紡ぎはかろうじて少しはやれています。

- 紡いだ道具
- 桜楓スピンドル
- 紡いだもの
- 栗の渋皮で染めたポロワス
- 紡いだ時期
- 2012年10月後半~11月前半
- 紡いだ量
- 13.02g
- 紡げた長さ
- 77.25m
- 撚り
- Z撚り
5.93番手。
染めるときにちょっとかたくしてしまったので、ハンドカーダーをかけて、ローラッグを作って紡ぎました。時々ちょびっと紡毛糸っぽく紡げたような気がします。……スピンドルだとどうも基本梳毛糸しか紡げなくて……。
渋皮で染めた毛はまだあるのですが、桜楓スピンドルがいっぱいになってしまったので、ここで一旦かせにしました。
- 参考用語
- か行:かせ
さ行:スピンドル、梳毛糸
は行:番手、ハンドカーダー、紡毛糸、ポロワス
や行:撚り
ら行:ローラッグ
またまたタオルハンカチをタマネギで染める
2012-11-09
前回の成功に気をよくして、またまたタマネギの皮でタオルハンカチを染めました。今回は今年いただいたタマネギです。
上の段はムラサキタマネギの皮、真ん中の段と下の段は普通のタマネギの皮(ちょっとムラサキも混ざっていたかも)です。
上の段と真ん中の段は、前回と同様、Studio A Weekさんで購入したハンカチタオルですが、下の段はユザワヤで購入したミニタオルです。
Studio A Weekさんのハンカチタオルは、よく染まる上、触り心地が大変良いです。
ユザワヤさんのは、染まれば入手が楽だな、と試しました。染まってはいますが、発色はStudio A Weekさんの方が明らかにいいですね。
で、媒染は、一番左はみょうばん、真ん中が鉄、右側が銅です。
- 被染物
- ムラサキタマネギに、タオルハンカチ(コットン)1枚15gのものを4枚、
タマネギに、タオルハンカチ(コットン)1枚15gのものを3枚、ミニタオル(コットン)1枚23gのものを3枚。 - 媒染剤
- 生みょうばん、銅媒染液、木酢酸鉄
- 参考書籍
- 『キッチン染めを楽しむ12か月』
『ハーブ染めレッスン』
ハンディールーム600
2012-11-08
縁あって、この度、東京手織機さんの、ハンディールーム600 8枚綜絖を譲っていただきました!
何故か準備よく、ハンディールーム用の本・『シンプルウィービング』も既にあります(笑)。全国裂織フェスタ2012で購入したんです。
そもそもこの織機を知ったのは、羊のちからさん。2008年5月24日の記事で、ほとんど一目惚れでした。
その後、Lyraさんのブログの2009/9/11の記事で、ハンディールームを話題にされているのをいいことに、60cmなら手持ちの筬が使えるんじゃないか、厚みが薄いと難しいかとか色々質問。
箕輪先生までアドバイスを下さって、とうとう、ハンディールームに他の筬が使えるかどうかの実験まで、ご自分のブログで行って下さいました。
結論としては、筬は使えないかも?ってことで、だったら60cmじゃなく40cmのハンディールームでいいかなあ、と思っていました。
その後、Stidio A WeekさんやSheep Workshopさんのところで、ハンディールームの実物を拝見したりして、ハンディールーム400を買う気を……高めてはいました。
なので、『シンプルウィービング』も買ったりしていたわけです。
ところが、ハンディールーム600を譲ります!という話を聞き。400を買おうと思ってたんだけど……まあ、これで買えたらそれも縁!と申し込んだら、縁があったみたいで、入手できてしまいました。やっほー(うかれています)。
そして懸案の「アジャカの筬を共通で使用できるか」ですが。
箕輪先生の実験で、問題となっていたのは、

筬の上下の出っ張りが、ハンディールームの筬を止めるところの左右の赤い棒にぶつかるということでした。
ですが入れてみたら。

ほらほら、問題なく、無事おさまります!
ハンディールームの筬を入れる部分の枠の幅が63.5cmで、アジャカの筬の幅が62cmなので、ひっかかることなく、入るんですよ!
それと、もう一つ、Lyraさんと懸念していたのが、アジャカの筬の方が厚みがないのでぐらつくのではないかということですが。写真でわかるとおり、件の筬のでっぱりが、はまるので、さほどグラグラはせずに済みます!
そんなわけで、何と、アジャカの筬を共通で使うことができました!ということは、ハンディールーム400ではなく、ハンディールーム600を入手したのは正しかったということです。ラッキー。
(筬も揃えるとなると、馬鹿になりませんからねえ、お値段が……)
お譲りくださったMさん、ご助言・ご尽力くださった箕輪先生、Lyraさん、Joyceさん、Twitterで入手おめでとうメッセージを下さった皆さん、有難うございましたー。
かくなる上は、宝の持ち腐れにしないようにしなくては!(そこが問題です……)
- 最大織り幅
- 60cm(400は40cm、200は20cm)
- 筬目種類
- 東京手織機さんで販売されているものは以下。
2目/cm, 2.5目/cm, 3目/cm, 3.5目/cm, 4目/cm, 4.5目/cm, 5目/cm, 5.5目/cm, 6目/cm, 6.5目/cm, 7目/cm, 8目/cm, 9目/cm, 10目/cm, 11目/cm, 12目/cm,13目/cm, 14目/cm, 15目/cm, 16目/cm, 18目/cm - 特徴
- レバー式卓上機。ギャップレステンションシステムとやら。製織中でも折り畳み可能。折り畳むと4枚綜絖の場合奥行き24cm(綜絖を4枚増やすと奥行きは4cm増える)。オプションで二重ビーム、三重ビームになる。綜絖は8枚、12枚、16枚に増やすことが可能。
- この織り機について詳しい書籍
- 『シンプルウィービング』
服地サンプル 杉綾
2012-11-05
千鳥格子のサンプルに続いて、杉綾のサンプルを織っていました。
右の方に白い部分があるのは、意図して、強く打ち込んでみたからです。
アップ。

あまり見た目には変わりありませんが、洗った後。

そのアップ。

下に記したとおり、糸は数年前に購入したポンタさんの紡績糸なのですが。経糸が途中で切れまくりました。服地にするのは無理なのではと思ったほど。
色々工夫して、一時切れなくなったので、やっぱり服地にしようかなーと思ったのですが、最後のほうはやはりブチブチ切れ、まだ経糸はあったけれども織るのをやめました……。
しかりやはりこの色合いの杉綾はいい!というわけで葛藤中。
果たしてこの糸は今後どうしたらいいでしょうか。
・このまま頑張って服地を織る
・2,3本撚り合わせて、マフラーかなんかを織る
・ちょっと追撚して服地に使う
・その他
- 織り上がりサイズ
- 10cm×49cm。(房を含まず)
- 仕上がりサイズ
- 9.3cm×46cm。ほんの少しは縮まったようです。
- 経糸総本数
- 60本
- 整経長
- 110cm
- 通し幅
- 10cm
- 筬目
- 6目/cm 片羽
- 経糸に使用した糸
- ポンタさんの紡績糸。チェビオットの茶色
- 緯糸に使用した糸
- ポンタさんの紡績糸。チェビオットの白
- 使用織り機
- アジャカ4枚綜絖織機
- 作成期間
- 2012/10~11月
- 参考書籍
- 『手織り大全』
ラベンダーで真綿を染める
2012-11-01
週末、染料が悪くなる危機感を覚えて、・絹糸200gと真綿50gをまとめてみょうばん媒染し、
・ハンカチタオルを染めて、
・ラベンダーを酸性抽出しました。
大昔に多分北海道のお土産でいただいたラベンダーのポプリでした。
香りが感じられなくなったので、染めてみようと思っていたのでした。
5g位あったので、マグカップで酸性抽出24時間。
その後、みょうばん媒染した真綿を投入。……のですが、考えてみれば酸性抽出だったので、無媒染でもよかった……?

まるで飲み物のようですが、違います。真綿をマグカップに投入したところです。古いから色でないかなあと思いましたが、意外にちゃんと紫色の液が出ました。
これもこのまま24時間くらい放置したかな……。
引き上げて、真綿を洗ったら。

……まったく染まっているように見えませんね。一応少し黄色っぽくなっています。染まったというより、汚れたかのように見えます……。
ちょっとがっかり。
尚、マグカップでやってみたのは、より手軽な染めを実践しようと思って、『ハーブ染めレッスン』に載っていた方法を真似たのですが。……酸性抽出なので、熱不要で、レンジでチンすることもなく。何故マグカップで染めたのかよくわからないことに……。まあ、深さがある分、よく浸かったのは利点でしょうか……。
- 被染物
- 真綿 2.3g
- 媒染剤
- 生みょうばん
- 参考書籍
- 『ハーブ染めレッスン』