『ウールの植物染色―やさしい染色法と色見本―』
2021-08-27
また本の紹介に走りますが今度は染めの本を。定価は2000円(税別)です。
以前に箕輪先生に「ええ!?Rikoさんがこの本を持ってないなんて!」って言われたのが確かこの本です。
それほどの本ならばとそのあとすぐ注文しました。で、届いて、小ささに驚きました(笑)。いや、B6よりちょっと小さいくらいなんですよ。
手持ちの染めの本では一番小さいかな。透明のブックカバーがかけられているのが嬉しいです。染めの本って染めるときに使うとけっこう汚れがちですよね…。料理本と同じ。
216頁のうちp9~p200がフルカラーというのも嬉しいですね。昔の本って、写真頁すら白黒だったりするじゃないですか。
(昔と言ってもこの本は初版は1984年なのでそこまで古くはない?その頃ならフルカラーの本はけっこう出ていたかも…)
「はじめに」で、日本ではウールの普及が明治に入ってからで、合成染料の導入と同時期だったからあまり植物染料で染められてこなかった…というような話があるし、題名も題名なのですが。
内容的にはタマネギで木綿のシャツを染めたり、タデアイの生葉で絹糸を染めたりもしています。文章だけのページで、「絹・木綿・麻の染色法」というところがあったりもします。だからまあ、ウール以外にも役立つ本です。
本の内容は次のような感じ。欧米でウール染色に使用されているもの(メレーさんの研究が元)のうち日本でも採取可能なもの、日本で昔から使われていた染料、身近な野菜類を取り上げているとのこと。
- 植物染色の方法
- 植物染料で染めてみよう として、原毛も糸も既製品も染められるよ、という話
- 基本の染め方 として、用具や薬品や量るための器具の話
- ウメの緑葉で原毛を染める 硫酸銅で後媒染
- タマネギで木綿のシャツを染める 塩化第一錫で後媒染
- 渋木でウールのセーターを染める ミョウバンで先媒染
- ウメノキゴケで原毛を染める 無媒染
- タデアイの生葉で絹糸を染める 無媒染
- 植物染料で染めてみよう として、原毛も糸も既製品も染められるよ、という話
- 植物染料
- 植物染料(アカネ【根】・アカメガシワ【生葉】・アセビ【生葉】・イタドリ【生葉】・イチイ【心材】・ウコギ【生葉】・ウツギ【生葉】・ウメ【心材】【生葉】・エンジュ【花蕾】【豆果】・オシロイバナ【葉茎】・オニグルミ【果皮】【樹皮】・カキ【生葉】・カタバミ【葉茎】・キク【生葉】・ギシギシ【根】・キヅタ【実】・キハダ【樹皮】・クサギ【実】・クズ【生葉】・クチナシ【実】・クマノミズキ【生葉】・クリ【樹皮】【生葉】【実のゆで汁】・クワ【生葉】・ゲッケイジュ【生葉】・ケヤキ【樹皮】・ゲンノショウコ【生葉】・コマツナギ【生葉】・コンフリー【生葉】・サクラ【生葉】・ザクロ【果皮】・サトイモ【茎】・シダレヤナギ【樹皮】・シラカンバ【樹皮】・スギナ【葉茎】・スズラン【生葉】・ズミ【樹皮】・スモモ【果実】・セイタカアワダチソウ【生葉】・センダン【幹材】・ゼンマイ【生葉】・ソヨゴ【生葉】・タデ【葉茎】・タブノキ【生葉】・チャ【生葉】・ツバキ【生葉】・トチノキ【生葉】・ドングリ【殻斗】・ナンテン【葉と小枝】・ニシキギ【緑葉】・ヌルデ【生葉】・ネズミモチ【生葉】【実】・ノブドウ【生葉】・ハナズオウ【生葉】・バラ【生葉】・ハンノキ【生葉】・ヒイラギナンテン【小枝】・ヒサカキ【生葉】【果実】・フジ【生葉】・ブドウ【果皮】・フヨウ【生葉】・ベニバナ【乾燥花】・ボケ【小枝と葉】・ミツバアケビ【葉茎】・モッコク【生葉】【幹材】・モモ【生葉】・ヤシャブシ【実】・ヤマモモ【樹皮】・ヨモギ【生葉】・ワレモコウ【葉茎】)
- 地衣染料(イワタケ・ウメノキゴケ・ヘラガタカブトゴケ・マツゲゴケ・ヨコワサルオガセ)
- 身近な染材・市販の天然染料(アズキ・クロマメ・紅茶・シュンギク・タマネギ・チョウジ・アリザリンレッドS・インジゴピュアー・藍・苅安・ガンビアカテキュー・コチニール・ゲレップ・渋木・蘇芳・西洋アカネ・福木・五倍子・ヘマチン(ロッグウッドのこと))
- 植物染料(アカネ【根】・アカメガシワ【生葉】・アセビ【生葉】・イタドリ【生葉】・イチイ【心材】・ウコギ【生葉】・ウツギ【生葉】・ウメ【心材】【生葉】・エンジュ【花蕾】【豆果】・オシロイバナ【葉茎】・オニグルミ【果皮】【樹皮】・カキ【生葉】・カタバミ【葉茎】・キク【生葉】・ギシギシ【根】・キヅタ【実】・キハダ【樹皮】・クサギ【実】・クズ【生葉】・クチナシ【実】・クマノミズキ【生葉】・クリ【樹皮】【生葉】【実のゆで汁】・クワ【生葉】・ゲッケイジュ【生葉】・ケヤキ【樹皮】・ゲンノショウコ【生葉】・コマツナギ【生葉】・コンフリー【生葉】・サクラ【生葉】・ザクロ【果皮】・サトイモ【茎】・シダレヤナギ【樹皮】・シラカンバ【樹皮】・スギナ【葉茎】・スズラン【生葉】・ズミ【樹皮】・スモモ【果実】・セイタカアワダチソウ【生葉】・センダン【幹材】・ゼンマイ【生葉】・ソヨゴ【生葉】・タデ【葉茎】・タブノキ【生葉】・チャ【生葉】・ツバキ【生葉】・トチノキ【生葉】・ドングリ【殻斗】・ナンテン【葉と小枝】・ニシキギ【緑葉】・ヌルデ【生葉】・ネズミモチ【生葉】【実】・ノブドウ【生葉】・ハナズオウ【生葉】・バラ【生葉】・ハンノキ【生葉】・ヒイラギナンテン【小枝】・ヒサカキ【生葉】【果実】・フジ【生葉】・ブドウ【果皮】・フヨウ【生葉】・ベニバナ【乾燥花】・ボケ【小枝と葉】・ミツバアケビ【葉茎】・モッコク【生葉】【幹材】・モモ【生葉】・ヤシャブシ【実】・ヤマモモ【樹皮】・ヨモギ【生葉】・ワレモコウ【葉茎】)
- 植物染料について
- 植物染料の歴史
- メレー女史と植物染料
- ウールの染色法
- 絹・木綿・麻の染色法
- 媒染剤の取り扱い
- 染料植物の保存
- 参考文献
- 染色材料店
- 植物染料の歴史
あまり他の本で見たことのない染材についても触れられています。特に地衣類。
個々の染材に対し、抽出・媒染・染色の記載があって、かなり丁寧な印象です。
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『花と緑の染織』
2013-10-14
![]() | 花と緑の染織 (自然にやさしい手づくりシリーズ) 箕輪 直子 日本ヴォーグ社 1996-07 by G-Tools |
多分、本屋さんで普通に手芸コーナーで見かけた初めての織り関係の本かと思います。初版日からすると、ちょうど織りを習い始めた前後に買ったのかな?
まだ織機を持ってはいなかったので、洗剤の空き箱を使って織る方法が載っていたことが、この本を買うきっかけの一つだと思います。
- 本の中で使用している織り機
- タビールーム(リジットヘドル機です)
- 掲載されている作品
- とうもろこしを玉葱で染めたものを緯糸にしたランチョンマットとコースター
- ジーンズ地のシャツを裂いて緯糸にした三角ポーチ
- 久留米絣を裂いて緯糸にしたミニ・マガジンラック
- ハンカチを藍で絞り染め
- コースターを藍染め
- 和紙を緯糸にして織ったランプシェード
- 和紙をカモマイルで染めて作ったフォーク・ナイフ・スプーン包みと箸置き
- シーツをキンモクセイで染めて綴れ織りしたラグマット
- 着物とネクタイを裂き織りにしたベスト
- 着物とネップのある糸でベスト
- とうもろこしを玉葱で染めたものを緯糸にしたランチョンマットとコースター
- そのほかの内容
- 洗剤の空き箱で作る織り機(裂き織りのコースターを作成)
- 藍の育て方
- 紅花染め(黄色で毛糸と和紙を染める・赤で絹糸と和紙を染める)
- モヘアのハーブ染め
- いろいろなハーブで染めた色見本
- 洗剤の空き箱で作る織り機(裂き織りのコースターを作成)
こう細かく読み返してみると「この作品(ミニマガジンラック)の経糸は……」とか「この作品のこの色の部分(ラグマットの黄色とグレイ以外の色)は……」とか、どこに載っているのか(載っていないのか)わからない部分があったりもします。多分、参考情報だと思うのですが、作品には使わない技法(綴れの模様の入れ方)が載っていたり。
しかし薄さの割に、盛り沢山だと思います。染めと織り、両方載っていますし。
(どちらかというと染めがメインなのかなあ……)
そして私にとってはこれが「最初の一冊」です。
(厳密には、これより前に買った本はあるにはありますが……。多分織り関係では『織ってつくろう編んでつくろう』が最初に買った本。)
- 参考用語
- あ行:藍染め
か行:絣
さ行:裂き織り、絞り
た行:綴れ織り
は行:紅花
や行:緯糸
ら行:リジットヘドル機
『世界の草木染め ワイルドカラーの魅力』
2013-09-21
![]() | 世界の草木染め ワイルドカラーの魅力 ジェニー・ディーン 箕輪 直子 ガイアブックス 2013-08-22 by G-Tools |
半月くらい前に本屋さんで見かけたのですが、タイトルを見て「ああ、図書館で借りた本かあ。すごい本だったよなあ。入荷したのかー」位に思っていました。
何度かその本屋さんで見かけるうち「……あれ?図書館で借りたのはもっと分厚い本だった気が……」と思い、手に取って奥付を確認したら。あら、今年8月の発行ではありませんか。
媒染剤を選ぶための一覧表とか、助剤を選ぶための一覧表とかが「うわー、かゆいところに手が届く感じ!」と思ったので購入しました。
多分図書館で借りた本の簡略版じゃないかなと思ったのですが。
![]() | ワイルドカラー ジェニー ディーン 箕輪 直子 Jenny Dean 産調出版 2000-08 by G-Tools |
この本の新型本扱いらしいです。表紙の写真も一緒じゃあないですか。
Amazonのデータによると若干大きいものの頁数は一緒らしいですね。
ということは簡略版ではなく、本当に出しなおしなんですかね。……何か前の本は縦書きだった気もするのですが……。まあそれはどっちでもいいか……。
箕輪直子監修 ジェニー・ディーン著とありますが、
- 園芸家で染色家であるジェニー・ディーン氏が著したものに
- 箕輪先生が、日本では何の植物にあたり、どうやったら入手できるかを加筆した本
らしいです。前書きによると。
「染色のテクニック」の章と「染料植物」の章があり、「染料植物」の章は『草木染め大全』みたいに、色々な植物の写真と染めたらどんな色か、栽培と採取、染色の手順が載っています。しかし、植物は英国のものが多いので、日本では馴染みのないものもあります。
ですがそもそもこの本は、「この植物だとこういう色になります。やってみましょう」というより、「その辺で入手したもので染めてみましょう。何をどうやったらいいかな、色々試してみましょう」という本っぽいので、「染料植物」に入手しづらいものがあっても、あまり気になりません。
色々試してみたい!という人には大変オススメの本かと思われます。
染めた後の修正の仕方なども載っています。
修正によって、1つの染液から25色にする方法なんていうのも載っているのですが。このページ(p62,63)はちょっとひどい。大型本を小型にしたせいですかね。のどの部分が切れていて、無修正のかせが見えないんですけど……。それに、かせの種類を示すアルファベットもずれているような……。
- 参考用語
- か行:かせ
さ行:助剤
は行:媒染
『ハーブ染めレッスン』
2012-10-29
![]() | ハーブ染めレッスン―安心な材料だけで楽しむ、自然の色 梅原 亜也子 佐々木 薫 誠文堂新光社 2010-09 by G-Tools |
この本の紹介をしていないとは、先日の記事で「参考書籍」を書こうとするまで気付いてませんでした。この本を見て染めのデータをノートに記録するようになった位、個人的に重要な本なのに(笑)。
あ、今までも、織りのノートにメモったり、ブログに直接書いたりはしていたのですが、一冊のノートにまとめたのがこの本の影響です。
この本ほどちゃんと書いていませんけどね! 書式を印刷しておいてそこに書けばいいのかもしれませんが……。
内容は以下の通り。
- ハーブ染めのキホン
- ハーブ染料の性質や量について、酸性・アルカリ性・中性抽出について、抽出液の作り方について、染める素材について、準備や媒染について、道具について。キホンの染め方としてコットン・シルク・ウールの染めの例。
- コラム?
- ティーバッグとマグカップで染める
遊び感覚でもみ染め
模様のつけ方(絞り)、色のアレンジの仕方(ぼかし・段染め・重ね染め) - ハーブ染めの色見本帳
- 次の各種ハーブについて、ウール(編み地と原毛)・シルクオーガンジー・コットン(布)を、酸性抽出・アルカリ性抽出・中性抽出でみょうばん媒染・中性抽出で鉄媒染したものの写真を掲載
エキナセア・オニオン・オリーブ・オレガノ・カモマイル・クチナシ・クローブ・ゲットウ・シソ(アカジソ)・シナモン・スターアニス(八角)・ストロベリー・セージ・セントジョーンズワート・ターメリック・タイム・ダンデリオン・ネトル・ハイビスカス・パセリ・ブルーベリー・ヘナ・ペパーミント・ホーソンベリー・マジョラム・マテ・マリーゴールド・マロウブルー・ユーカリ・ラズベリー・ラベンダー・リンデンフラワー・レッドクローバー・レモングラス・レモンバーム・ローズゼラニウム・ローズヒップ・ローズマリー・ローズレッド・ローレル - 身近なものを染めてみましょう
- エコバッグ・ブラウス・スニーカー・レースのコースター・サシェ・ベビー用品・ハギレを染めてクッションカバーに縫い付ける・Tシャツ・ストール・のれん・巾着・木のカトラリー・毛糸・ボタン・和紙
- その他
- 作業の流れ、染めたもののお手入れ、データを残す、ハーブ染めの歴史など、群馬県繊維工業試験場の紹介
色見本帳のところの植物名でわかるとおり、「これ、ハーブなの?」というものも載っています。タイトルは「ハーブ染め」ですが、普通に草木染めの本と思っていいと思います。
特筆すべきは、酸性抽出とアルカリ性抽出と中性抽出の見本が並んで載っているところ。何抽出をするかってけっこう悩みどころなので、こういうのが載っているのはいいですね。いやそこから自分で試すのが正しいのかもしれませんが。
作業の流れがまとめられていたり、取得しておくべきデータについて書かれていたり、大変いいところもあるのですが、反面、キホンの染め方がどんなものにも有効なのか?とかがいまいちわからない、というわかりにくい点もあります。
特に今気になっているのが「塩に色止め効果があるのは、紅茶染めの場合だけですか。他のものもっていう意味ですか?」ということです。いや、先日ちょうど塩で色止めができるのは、化学染料の時だ!って話を聞いたところなもので……。
『誰でもできる草木染めレッスン』
2012-01-09
![]() | 草木染めレッスン 箕輪直子 誠文堂新光社 2011-12-16 by G-Tools |
年末に箕輪先生の草木染めの本が一冊出ました。箕輪先生のブログで、『だれでもできる 最新 草木の染色教室』のリニューアル版と書かれていたので、本屋さんで中身を確認してから買おう!と思っていたのですが。
本屋で見たら即決でした。リニューアルなの??と思う位、新しくなっているので、「買い」です。
元の本を紹介した記事で、二色刷りページが多い、と装丁がちょっと悲しい旨書いていますが、リニューアルでカラーページの割合がかなり増えました。それに前の本ではかなり詰め詰めだったのですが、ゆったり感のあるページ割付になっていて、読みやすいです。
反面、内容は前の本より減ったように思います。土染め等新たなものもあったんですが。キクラゲはオキシドールで脱色した液で、とか、一言文章で書いてはありますが、一ページ割いたりはしていないですからねえ。
というわけで、この本の内容について。
- 身近なものを、染料に
- 野の草、樹木、ハーブ、花びら、染料店にあるもの、マーケットにあるもの、について、それぞれの説明と、どんな染料があるのかの例が載っています。そのあと、キッチン、秋の実、落ち葉で染めることについてもちょっとずつ触れられています。
- 基本の染め方
- 容器と道具について、精練について、必要な草木の量、媒染についてなど、染めに必要な知識が書かれています。その後、基本の染め方として以下のものが載っています。
- 小物染め(タマネギでハンカチ)
- 糸染め(ローズマリーで毛糸)
- 大きな布染め(桜チップでブラウス)
- 小物染め(タマネギでハンカチ)
- いろいろな染料で染める
- 基本の染め方からちょっと外れた染め方をするものを主に紹介しているように思います。具体的には以下のとおり。
- 紅花で和紙とシルクのスカーフ
- カーネーションの花びらで和紙
- 柿渋で木綿の糸と麻袋
- モミジで木綿の糸
- ハイビスカスでシルクのスカーフ
- 落ち葉で木綿の糸と綿のトートバッグ
- 土で木綿の糸と綿のタオルハンカチ
- カレー粉で綿のスニーカー
- タデ藍の生葉で木綿のハンカチ
- インド藍の乾燥葉でシルクスカーフと木綿のハンカチ
- タデ藍の生葉でシルクスカーフと毛糸
- 粉末藍でシルクショール、ランチョンマット、糸
- 紅花で和紙とシルクのスカーフ
- 草木の染色カラー一覧
- 色合い別の染色サンプルの写真です。シルク・ウール・コットンについて、みょうばん媒染・銅媒染・鉄媒染のサンプルを一度に見られます。
- 草木染め ア・ラ・カルト
- 意外なものも染められますということで藤のかごやボタン・ブレード、100円ショップの小物の例が載っています。
- お役立ちコラム集
- 綿を濃く染める、再利用の草木染め(残液利用と二番液抽出)、染色素材一覧、用語集
その他に、合間のコラムで糸用ハンガーの使い方、手かぎの使い方、染めのヴァリエーションとして絞りの仕方、カセ繰り棒の使い方が載っています。
こうして見てみると、草木染めの本としては綿を染めている例が多いのが特徴でしょうか。タオルハンカチは是非染めてみたいです。
『身近な素材で楽しむおうちで草木染め』
2011-03-21
おうちで草木染め―身近な素材で楽しむ (レッスンシリーズ) | |
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常日頃から「草木染めも料理の本みたいなのが出ればいいのに」と思っていたのですが、この本は割と、私が思い浮かべたところの料理の本に近いです。
内容は以下の通り
- Basic Guide
- 草木染めの基本
- LESSON 1
- 花びら染めのシルクスカーフ
- LESSON 2
- 紅茶の毛糸染め
- LESSON 3
- ザクロの綿糸染め
- LESSON 4
- シルクスカーフと和紙の紅茶染め
- Arrangement 応用して色々なものを染めてみましょう
- 色物・柄物を染める
- 100円均一ショップグッズを染める
- 染色専門店のアイテムを染める
- 100円均一ショップグッズを染める
- LESSON 5
- シルク巾着の茜染め
- LESSON 6
- 藍染めのテーブルウェア
- LESSON 7
- ロッグウッドの綿ショールぼかし染め
- LESSON 8
- 柿渋の綿ポーチ染め
- Arrangement 応用して色々なものを染めてみましょう
- 手芸材料を染める
- ファッションアイテムを染める
- 家にあるものを染める
- 和紙を染めて楽しむ
- ファッションアイテムを染める
煮染め・花びら染めの基本的な染めのほか、紅花とか藍染めとか柿渋とか、特殊なものも網羅。素材も、糸・布のほか紙などもあるし、綿・絹・ウールと揃っています。
原毛はありませんが、染めて紡ごうって人は、きっとそんなにいないんですよね(^^;。
媒染剤などについては、染色材料店で売られているものを使用することが前提となっていましたが、それ以外については、おうちにあるもので、手軽にやれるなーという印象を持てる本です。
ところで。箕輪先生のブログで、すっかり誤字脱字の発見が趣味かのように書かれたので(いや、そういう主旨の発言をしたのは本当です/笑)、一応書いておくと、この本は60ページのうち、一回読んだ時点で「……間違いじゃ?」と思ったのは3箇所だけでした(^^;。
『木綿染の基本―草木染技法全書〈3〉』
2010-10-20
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先日、じぇんねさんのところで『手織りと手紡ぎ―豊かな暮らしを育む手作りの糸と織物』が今Amazonで扱われていない、という話が出ましたが、『木綿染の基本』も実はちょっと前から中古での扱いしかありません。
私は最初この本を図書館で借りました。草木染めの本の場合、染める素材としてはどうしても絹が多くなっちゃうと思うのですが、この本は木綿専門で、非常に詳しいです。借りるだけじゃダメだ!是非入手したい!と思って、Amazonの欲しいものリストに入れておいたのですが……中古で高い値段になってしまったので、「うーん、あのお店に確か一冊あったよなー……」と思って、土曜日、出掛けた際に入手してきました。
そこにあった本はあまり状態が良くなかったので、今まで買うのを躊躇していたのですが……、まあ読み込めば状態は悪くなりますしね……本は。
それはさておき内容。
- 日本の木綿
- 草木染作例解説
- 木綿縞
- 木綿染糸
- 綿型染布
- 型染による作品
- 絞りの染布
- 絞り染による作品
- 型染による作品
- 草木染の染材料
- 紫系の染材料
- 赤系の染材料
- 青系の染材料
- 緑茶系の染材料
- 黄系の染材料
- 黄茶系の染材料
- 茶系の染材料
- 赤茶系の染材料
- 肌色系の染材料
- 鼠系の染材料
- 黒系の染材料
- 媒染料
- 綿糸の染色
- 綿糸の染色
- 豆汁下地
- タンニン下地
- 紫色の染め方
- 赤紫色の染め方
- 赤色の染め方
- 桃色の染め方
- 緋色の染め方
- 橙色の染め方
- 黄色の染め方
- 萌木色の染め方
- 緑色の染め方
- 水色の染め方
- 縹色の染め方
- 黒色の染め方
- 白茶色の染め方
- 肌色の染め方
- 樺色の染め方
- 黄茶色の染め方
- 錆朱色の染め方
- 小豆色の染め方
- 茶色の染め方
- 焦茶色の染め方
- 緑茶色の染め方
- 藤鼠色の染め方
- 鼠色の染め方
- 薄墨色の染め方
- 若葉色の染め方
- 綿布の型染
- 石糊
- 糊付
- 引き染用染液の取り方
- 中媒染の染め方
- 後媒染の染め方
- 先媒染の染め方
- 色無地の染色
- 蝋纈染の染色
- 絞り布の染色
- 蝋纈染の染色
内容を見てわかるとおり、何色だったらこれ、という作りになっています。概ねの草木染めの本はこれで染めるとこういった色、という内容のように思うので、ちょっと新鮮。新鮮ですが元々「赤を染めたいから、○○で染めよう!」……という考えで染めは行われていたでしょうから、大変に納得です。
口絵の作例写真以外が白黒なのは残念ですが、それは今のカラフルな本に慣れてしまったがゆえの贅沢ですね……。
『草木染め大全』
2010-09-25
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草木染めのすごい本が出ました。
この本のための作業の様子が、ずっと著者のオフィシャルブログで紹介されていましたが、それを日々読んでいたので、発行されて感慨もひとしおです(笑)。
何がすごいって採用されている色見本の数がすごいです。リンクではサブタイトルが途中で切れちゃっていますが「3500余種の草木の染色見本付き」です。草木の種類は238種だそうです。そして本の厚みは18mm……。
そのすごい内容は以下の通り。
※ 以下内容からのリンクは、箕輪先生のブログの関連ページにはっています。本に書かれていないことが書かれているものも多いので、こちらも本と合わせて是非。尚、基本的に、リンクは同一ウィンドウ内で移動するようにしていますが、これに限ってはこのページが索引みたいなものに当たるかと思い、別ウィンドウを開くようにしました。
- Part 1 基本の染め
- 花びら染め
- ハーブ染め
- 藍の生葉染め
- タデアイを育てる
- 花びら染め
- Part 2 草木染め図鑑
- キッチンにあるもので染める
- ウコン・ウド・トウモロコシ・コウチャ(本の索引では紅茶)・アカジソ・タマネギ・ムラサキタマネギ(あ、目次に誤字発見……)・センナ(ブログではこちらにも)・ニンジン・フキ・リョクチャ(リンク先のタイトルは何故か紅茶)・クロゴメ(リンク先では「クロマイに決定!」とありますが)
- 草花で染める
- アカザ・アカソ・アジサイ・アブラナ・マツヨイグサ・オニノゲシ・カラスノエンドウ・イタドリ・カラムシ・カリヤス・ギシギシ・クズ・クララ・カナムグラ・コブナグサ・サトウキビ・サルトリイバラ・スプレーマム(葉・茎)・シダ類・クサソテツ・ツルニチニチソウ・ツワブキ・ドクダミ(ドクダミはこちらにも)・ナズナ・ナヨクサフジ・ハルジオン・パンパスグラス・ヒメオドリコソウ・ヒマワリ・ヨモギ(春・夏・アルカリ)・ムラサキツメクサ(リンク先では別名のアカツメクサ)・ハルシャギク(リンク先のタイトルは別名のジャノメソウ)・ホトケノザ・リュウキュウアイ・インドアイ・タデアイ
- 市販の染料で染める
- オヒルギ(リンク先のタイトルでは総称のマングローブ)・インドアカネ・ニホンアカネ・セイヨウアカネ・ガンビール・グァバ・クスノハガシワ(リンク先のタイトルでは別名のカマラ)・コガネバナ(コガネバナはブログのクスノハガシワのところも参照)・コクタン・シコン・シタン・スオウ・フシ・ダイオウ(リンク先ではダイオウの一種であるルバーブの名で出ています)・ブナノキ・ミロバラン・ヤマモモ・ヤエヤマアオキ・ビンロウジ・ロッグウッド・ラックダイ・コチニール
- 樹木で染める
- アケビ・アセビ・アベマキ・アベリア・イヌツゲ・イチイ・イヌマキ・イチョウ・ウツギ・ウメ・アカメガシワ・ウリカエデ・カラコギカエデ・エゴノキ・ジンチョウゲ・カロライナジャスミン・カクレミノ・カツラ・ココナッツ・ガジュマル・ガマズミ・カリン・カルミア・カンボク・キブシ・キウイ・キバコデマリ・モクセイ(キンモクセイ・ギンモクセイ)・キハダ・グミ・クサイチゴ・クリ・クルミ・クルミスモークチップ(ブログにはクルミ科のヒッコリーも掲載。クルミスモークチップはこちらにも掲載)・ケヤキ・ゲットウ・コウヤマキ・ゲッキツ・クワ・コウゾ・コデマリ・コブシ・コナラ・サクラ・サクラスモークチップ・サワラ・サキシマスオウ・サルスベリ・サンゴジュ・シキミ(リンク先のタイトルはジュニパ―ベリーですが)・シナノキ・シマトネリコ・シュロ・シモツケ・スイカズラ・シャクナゲ・ダンコウバイ・シャリンバイ・スギ・スモモ(ブログにはプラムも載っています)・ベニスモモ・ズミ・センダン・ソヨゴ・タケ・タケノコの皮・ツツジ・キヅタ・ツノハシバミ・ヤブツバキ・ツリバナ・テイカカズラ・テリハノイバラ・トチノキ・ナツメ・ナナカマド・ナワシロイチゴ・ネズミモチ・ノウゼンカズラ・ネムノキ・ハギ・ハナイカダ・ハマナス・ハリエンジュ・センリョウ・ハナミズキ・ヒイラギナンテン・ヒサカキ(リンク先ではヒカサキになっていますが)・ヒノキ・ヒョウタンボク・ピラカンサス・ビワ・フクギ・フジ・ベニカナメモチ・マンサク・ミカン・ミズキ・ムベ・ムラサキシキブ・モクレン・プラタナス・ムクゲ・モミジ(ブログではヤマモミジもこちらやこちらで掲載されています)・ヤツデ・ヤブデマリ・ヤナギ・ヤブニッケイ・ヤマブキ・ユズ・ユズリハ・ユリノキ・リンゴ・リンゴスモークチップ・レンギョウ・ロウバイ
- ハーブで染める
- ゲッケイジュ・オレガノ・バジリコ(リンク先のタイトルではスィートバジル)・シナモン・レモングラス・ローズマリー・ミント・タイム・ワイルドベリー・セントジョーンズワート・ヘナ・フェンネル・セージ・ヤロウ・ユウカリ
- 花と実で染める
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- 花びらで染める
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- キッチンにあるもので染める
- Part 3 色々な染め方
- カーネーションの花びらで和紙を染める
- ハイビスカスでシルクのスカーフを染める
- モミジで木綿をピンクに染める
- インドアカネで毛糸を染める
- 変わり毛糸を段染めにするバリエーション
- ヤシャダマで羊毛を染める
- ローズマリーで絹糸を染める
- スオウ染めの絹糸グラデーション
- 媒染液別染め色の違い
- 木綿の糸を濃く染める(こちらにQ&Aも)
- 木綿の大きな布を染める1(無地に染める)
- 木綿の大きな布を染める2(ぼかしに染める・まだらに染める)
- いろいろなものを染める1(藤のミニかごを染める)
- いろいろなものを染める2(エルダーで木のボタン・ブレード・刺繍糸など小物を染める)
- いろいろなものを染める3(トウモロコシの皮を染める)
- ムクゲとビワの3種類染め
- 草木に適した染め方とその実験方法
- 色の作り方
- 紅茶でワンピースを染める
- 柄のある布を染める
- 身近な道具で絞り模様を作る
- カーネーションの花びらで和紙を染める
- Part 4 特別な染め方
- 紅花でスカーフと和紙を染める
- 柿渋で木綿の糸と麻袋を染める
- 紫根染めのぼかし絣のタペストリー
- タデアイの生葉で木綿のハンカチを染める
- インドアイの乾燥葉でシルクスカーフと木綿のハンカチを染める
- すくもで藍を建てる
- 紅花でスカーフと和紙を染める
- Part 5 役立つ知識編
- 草木染めの仕組みと染めるポイント
- 染まる草木の採集とポイント
- 媒染剤とそのほかの助剤
- 図鑑の見方
- 図鑑サンプルの染色条件(手順はこちらやこちら)にも
- 日光堅牢度/廃液処理
- 素材別の下処理と取り扱いの注意点
- カセの作り方・カセの分け方
- 染色容器と便利な道具(鍋・漉し器・棒)
- 草木染めの仕組みと染めるポイント
※ 箕輪先生のブログには没になった染色サンプルもあります。
すごさを表すために、全植物名を打ちました……。すごいですよね。ただ、「試しにやってみた、薄かった、日光堅牢度が悪かった」というものもあるので、この本に載っている植物だからといって、草木染めに向く植物だとは限りません。まあしかし、どんなものでもやってみると染まる、ということを体感できる本ですね。ナガミヒナゲシ、染まるのかー。よし採ってやる!と決意しましたし……(笑)。
この本で残念なのは、植物の写真がいまひとつなことでしょうか。この写真を元に植物を探すのはちょっと難しい気がします。
『キッチン染めを楽しむ12か月』
2009-10-29
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本屋で見かけて「お、これは!」と勢いよく購入いたしました。
「キッチン染め」というのがまず気になるポイントです。
あと、前から「料理本のように書いてあったらとっつきやすいのになあ」と思っていたのですが、この本は割りと料理本っぽいです。
それと個人的には、みょうばんにいちいち「焼きみょうばん」と書いてあるところがポイント高し。
いえ、意外にどっちかわからないんですよね。本を見てると。勿論、本のどこかには書いてあるのですが、各ページでは「……どっちだっけ?」ということが多いのです。
あえて言うなら小さじが2.5mlだというのが気になりますが(小さじは5ccなものでしょう!?)、それも各ページに注釈がついているので、まあいいかなあと。
内容は以下の通り。
- 前置き
- マグカップで紅茶染め
- 基礎知識
- 玉葱でエコバッグやラフィアの籠や玉子の殻や麻のクッションを染める
- マグカップで紅茶染め
- 春
- カモミールティー
- ハイビスカスティー
- 緑茶
- ペッパー&クローブ
- シナモン
- くちなしの実
- 夏
- ターメリック
- ラベンダー
- フレッシュローズ
- ブルーベリー
- 赤紫蘇
- 秋
- 栗
- 巨峰の皮
- 柿の葉茶
- アールグレイ
- ワイン
- 冬
- みかんの皮
- マリーゴールド
- ルイボス茶
- 黒豆
- イタリアンミックスハーブ
- インスタントコーヒー
- アップルティー
- ウーロン茶
染める素材が色々なところもいいです。
(2009/11/3追記)
この本を見ながら染めてみました。
一応、染料○○で素材××を媒染△△を使って染める、といった記述内容なのですが、違う素材の場合や媒染材を変えた場合の必要媒染材の量も載っているので、応用範囲が広いと思います。
- 参考用語
- は行:媒染
ま行:みょうばん媒染
『草木の染色ノート―身近な草花、樹木を使って』
2008-08-02
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本屋さんでこの本を見つけた時、帯を見て「ああ、これ絶対『草木の染色工房―身近な草花、樹木を使って』の焼き直しでしょう!」と思いましたが、中身を具に見たところ、やはりそのようで、目次ページに小さく「本書は1997年発行の「草木の染色工房」を再編集したものです。」と書かれていました。
『草木の染色工房』にあって、『草木の染色ノート』にないものは以下の通り。
・前書きがわりと思しき「スウェーデンで植物染色を学んで」
・コラムのような「ポイント<染料成分について>」
・「フエルトの作り方」
・染料では「ガマズミ」
・「市販の染材で染める」(ウコンは染めた見本のみ、「身近な染材で染める」に入っている)
・「素材による染まり方の違い」
・「木綿を染める」
・「用語索引」
・「材料、道具の購入先案内」
・あちらこちらのページにあった「作品」の紹介と作り方
そして値段は同じ1500円です。
あえて言うなら構成は私は今度の本の方が好きです。サイズもA5で扱いやすいです。
ですが、『草木の染色工房』を持っている人は、わざわざ買わなくていいと思います……。(私は買ってしまいましたが)
- 本の内容
- 基本の植物染色法
- 草木染めの植物と染め色図鑑
- 野菜
- ハーブ
- 果物
- 身近な染材で染める
- 草花
- 庭木・街路樹
- 野生植物
- 帰化植物
- 草木染めの植物と染め色図鑑