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『手織りの教科書』

 2022-09-18
 
本屋さんでようやく受け取ってきました。彦根愛さんの『手織りの教科書』。

まず「はじめに」を見て驚きましたね。え、これ『手織りと手紡ぎ』『手織り工房』の加筆改訂なの!?全然違うよ!?と。
まあ内容面では勿論かぶっているところがありますが、構成も文章も変わっているし、掲載作品がおそらく全部新しい気がするんですけどね…。
個人的には『手織り手紡ぎ工房』の方がそれら2冊を改訂したものな気がしますが…。

とにかく、どれとも違うのでどれかを持っている方にも、この本は買って後悔することがないと思います。
内容は次の通り。
織機と組織図
  • 織り機のいろいろ
    ろくろ式・天秤式・レバー式(ボタン式)・ジャッキ式、バネ式の説明が載っています。今までの本にはジャッキ式、バネ式の紹介がなかったかと思います。『手織りの組織図事典』は掲載している組織図がジャッキ式用なので、ジャッキ式の写真も載っていますが、そもそもこの本では各織機の説明が一個ずつ載っているわけではありません。
    あと、ここに「織り機の各部の名称(ろくろ式)」が載っています。これは『手織りの組織図事典』以外の本にも載っています。
  • 織物に必要な道具と使い方
    『手織り工房』で「付属の道具」、『手織り手紡ぎ工房』で「手織りのために必要な付属の道具」として書かれていたものですね。
    個人的には「必要な道具」って書くと全部必要に見えるので好ましくないような気がしています。まあ、職業で織るには全部必要?なんですかね??(我が家にはないものがけっこうありました)
    • 道具
      これまでの本と異なり、「基本の道具」「糸を準備するときに必要な道具」「織るときに必要な道具」に分けられています。基本の道具とその他の分け方の基準は…よくわかりません…。
      あと、これまでの本には載っていなかった、粗筬(櫛筬)・櫛、熊手(ビーター、タペストリーフォーク)・すくい杼、ピック(棒)が載っています。
    • 糸の準備(糸を使いやすくするための方法と道具の使い方)
      「符割りの使い方」「かせくり機の使い方」「玉巻機」「手で糸を巻く方法(玉巻機や木巻を巻く道具がない場合や、大型のタペストリーの緯糸)」(バタフライより長い輪になるやつ)「はた結びの仕方(途中で糸がなくなったり、色を変えて整経を続ける場合のほどけない結び方」。『手織りと手紡ぎ』『手織り手紡ぎ工房』にも載ってますね。
    • 緯糸の準備
      板杼(中心に巻く方法)・板杼(片側ずつ巻く方法)・小管に糸を巻く、が載っています。
    ここに参考作品として、すくい杼×つづれ織・ラグシャトル×ポッパナマットが掲載されています。
  • 織物の組織と完全意匠図
    定番の組織とは、から組織図と完全組織の話。あと完全意匠図の話があって、この本での完全意匠図はこのように表しています、という話。
  • 組織図から完全意匠図を作る方法
    こちらも彦根愛さんの本では定番。組織図マクロを作るのにお世話になりまくりました。ろくろ式(単式タイアップの場合)と、天秤式・ジャッキ式の場合と、レバー式(ボタン式)の場合が載っています。ただ見慣れているせいか図が大きいせいか、今までの本の方が見やすい気がします。(『手織りの組織図事典』よりは詳しいです)
  • 織りの三原組織
    これも定番ですが、今までの本で一番詳しく書いてあるかな。とくに朱子織。
  • 変化組織
    変化組織の色々な作り方についての軽い説明と、平織の変化組織(たて畝織・よこ畝織・ななこ織)・斜文織の変化組織(山形斜文・破れ斜文・菱斜文・伸び斜文・曲がり斜文)・その他の変化組織(混合法で色々な組織を組み合わせて作る)を掲載。
  • 織物組織の分解
    布から組織図を起こす。『手織りと手紡ぎ』『手織り手紡ぎ工房』にも載っていますね。気になる組織の布を見た時に参考に組織図を書きました。
  • 織物の手順と計算
    「平織のマフラーを織る」のをサンプルに、糸の計算から、準備して織って糸の始末をするまで、一通り書かれています。「4 整経した経糸を織り機に取り付ける」が、基本は整経台から男巻きに巻いて綜絖通し・筬通しの順みたいですが、途中に筬から織り機に取り付ける方法で筬通し→綜絖通し→男巻きに取り付ける方法が載っていて、ちょっとわかりづらかったです。

ここに参考作品として、整経絣のひざ掛けとビーズのケースが載っています。つまり、整経の時に経糸で模様を作っておくものと、緯糸準備の時にビーズを入れておくもの、という参考ですかね。
織物組織と技法
基本
  • 縞を織る
    基本作品で平織とななこ織の縞のクッションカバー。作品例として、たて刺し子のテーブルランナー・平織のクリアストライプマフラー・レップ織りランナー。
  • 格子柄(チェック)を織る
    基本作品でななこ織と斜文織の格子柄のマフラー。作品例として、よこ畝織とななこ織のカバー(枕カバーかな)・菱斜文のチェックマフラー。
  • 織りサンプルから応用する方法
    変化斜文24種のサンプル織りをして、その中から使う組織を決めて、基本作品のランチョンマット。作品例として、引き揃えモヘアのネックウォーマー・1/3のプリーツストール。
  • 組織と色糸効果
    色糸効果の考え方と、基本作品として、平織と斜文織の色糸効果サンプル。ほかにもサンプルデータが8種。作品例として、千鳥と崩し縞のショール・シャドーウィーブのラップエプロン。

糸を拾う・絡める
  • ピックアップ技法
    経糸を拾うことで踏み木を踏んだのと違う組織を出す技法で、この技法により効果的に柄が出せる技法のうち、昼夜斜文と昼夜トルコ朱子のピックアップが例に挙げられています。作品例として、アーガイル文様のピックアップマフラー・ブロック柄のピックアップ斜文ショール。
  • パイル技法(ノッティングとスマック)
    絨毯やマットを織る技法で、ハイパイルのノッティングと、ローパイルのスマックが紹介されています。基本作品は小さなマット。作品例はノッティングのもみの木・レリーフノッティングマット。
  • つづれ織
    平織で色糸で文様を織り出しますが、その各種技法について紹介されています。基本作品はモンステラ(多分)柄の小さなマット。作品例はアンデスの神人文様・スウェーデン絵織りのタペストリー。
  • 浮き織・織成・縫い取り
    その昔この三つの差について頭を悩ませたことがあったなあ…本によって用語が違っていて…。それぞれの技法の紹介と基本作品として、それぞれを使った6種のしおり。作品例としえクラックル織の織成スカーフとムアマンのトートバッグ(ムアマンとは織り方の名称だそうです)・ハーフドカゴングのサコッシュ・縫い取りの針刺しとポーチ。
  • フィンガーテクニックレース
    半綜絖を使うレース織や組織によるレース織ではなく、指で操作するレース織で、スパニッシュレース・ダーニッシュメダリオン・ブルックスブーケ・クローズドシェッド・羅・開口させてもじるレースが紹介されています。基本作品は開口させてもじるレースのマフラー。作品例としてアルパカ模様の羅ストール・絣糸を作っての羅の暖簾・ミックスレースのマット。

特別組織
  • 吉野織
    吉野織の種類と組織解説、吉野織の考え方と吉野格子について説明があります。作品例としてたて吉野のがま口バッグ・たてよこ吉野のパフマフラー・よこ吉野リネンクロス・吉野格子のブランケット。
  • 摸紗織(模紗織)
    どういうのを摸紗織というのかの解説と考え方が載っています。これによると、キャンバス・ハックレース・ブロンソンレース・スウェディッシュレースは摸紗織で、ハックアバック・スポットブロンソンは摸紗織ではないそうですが、ハックアバック・スポットブロンソンの完全意匠図もここに載っています。そのうえ、ピックアップ摸紗(3本ハックレース)と並んで、ピックアップハック(3本ハックアバック)の織り方も載っています。作品例は、森のハックレースのケースメント・すぅえディッシュレースのショール・ブロンソンレースのストール。

重ね組織
  • 刺し子織
    ここでは英語で言うサプリメンタリーワープ・サプリメンタリーウェフトを刺し子織としているとのことで、この場合オーバーショットなどもよこ刺し子に入ります。基本作品はたて刺し子のテーブルランナー。作品例としてムンカベルテのファブリックパネル・ウォーブン絞りの巾着(絞り糸を緯糸に入れて織っておいて、織りあがり後に絞って染めて、絞り糸を外す)・オーバーショットのランチョンマット・ムックのファイルカバー(ムックとはラオス語でたて刺し子だそう)・たてよこ刺し子のマフラー。
  • 二重織
    二枚の布になるものと、袋織り、倍幅について説明されています。作品例は二枚の布になるのを利用した二重織L字ストール・袋二重バッグ&ペンケース。
  • 二重織の応用
    表裏を異なる組織にしたり、表裏をアンバランスなものにしたり、表裏を接結したりする考え方が紹介されています。作品例は、平織とななこ織の接結二重織のベスト・ヘリンボーンとチェックのストール・二重織と経浮き糸の格子柄マフラー。
  • 風通織
    二重織りの布の上下を一定の場所で入れ替えた織物。ピックアップ技法で風通織をすることで4枚綜絖でもできることが説明されています。私が教室でピックアップとして習ったのはどうもこれのような気がします。作品例として、たてよこ風通ブランケット・壁掛け小物入れ・ピックアップダブルのアンデス文様のペンケース・ピックアップシングルの雪の結晶マフラー。
  • 風通絣
    風通織と色糸効果を混合して絣のような柄を作る織り。考え方とサンプル11個(4枚綜絖5つと8枚綜絖6つ)が載っています。作品例として、風通絣のスクリーン・風通絣のマット。
  • 畝織物
    二重織を応用して畝が出る織物。たて畝ができるものがコードでよこ畝ができるものがリブというそうで、リブの一種がウェルトで、コードの一種がベッドフォードコード…?そこら辺がいまひとつよくわかりませんが、説明ではウェルト組織とベッドフォードコード組織の解説が載っています。作品例はベッドフォードコードのクッション・ウェルトのマフカラー・ムースタッチマフラー(たて畝と思われる)・ベッドフォードコードのバッグ。

パイル組織
  • パイル組織(添毛織物)
    ここで紹介されているのは二重織り組織を応用したパイル組織。たてパイルとしてタオル組織(片面パイルと両面パイル)・ビロード組織、よこパイルとして別珍・コーデュロイ(コール天)の説明が載っています。作品例は、コーデュロイのツールバッグ・ぼかし染めパイルポーチ・ベルベットのチェアマット(特に説明ないですがベルベットはビロードですね)。

絡み織
  • 絡み織(捩子織)
    ここで紹介されているのは半綜絖を用いた紗と絽(羅も解説には出てきますが、考え方は紗と絽のみ)。作品例は、紗と観音もじりのショール・市松絽のケースメント。

染めて織る
  • ほぐし絣織
    仮織りをして染料で絵を描くように染めてから、本織りをするもの。基本作品は棉スカーフ。作品例として、吉祥文様ポチ袋・楕円柄ほぐし織半幅帯。

  • たて絣・よこ絣・たてよこ絣の基本作品と制作手順。作品例で、崩し縞のよこ絣マフラー、よこずらし絣のタピストリー、バウンドウィーブの額(よこ絣)、矢絣のコースター、マット・ミー鳥文様のテーブルセンター(マット・ミーとはラオス語で絣だそう)。
  • 着物・帯
    基本作品として縞の着物。作品例として結び糸の着物・よこ吉野の名古屋帯地・縫い取りの名古屋帯。

糸染め/始末
  • 糸染め
    糸の種類と精錬方法・糸の種類と染料(化学染料)・イルガラン染料、デルクス染料で染色する方法(絹・ウール等)・シリアス染料の染色方法(綿、麻など)・酸性染料を使ってグラデーションに染める方法・酸性染料を使って刷毛染めをする方法(ぼかすように染める)
  • いろいろな始末
  • 織物の仕上げ方法

トラブルと対処法
使用糸一覧
表紙作品について

…とにかく盛り沢山の内容ということはご理解いただけるかと…。

この内容紹介では目次に合わせて書きましたが、本文中には見出しの項目が小口にしかなかったり、小口にすらなかったりしてちょっとわかりにくいのが難点かな、と思いました。まあ全部に付けると、ページ数が増えたり、色々おさまらなくなるんでしょうね…。でも「表紙作品について」の見出しはさすがに欲しいかと…(目次にしかない…)。

ところで、各作品例については、ひこねあいさんのブログで、ひこねあいさんによるコメントが掲載されています。コメント読むと余計に色々織りたくなりますね…。
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『シンプルウィービング ハンディールーム600・400・200』

 2021-11-21
背表紙は『シンプル・ウィービング ハンディ―ルーム』なのですが、表示と奥付が『シンプルウィービング ハンディルーム600・400・200』なので、そっちが正式なタイトルだろうと思います。

サブタイトルでわかる通り、東京手織機さんの『ハンディ―ルーム』という織り機を使っての織物について書かれた本ですが、各種足踏み機が使用できるようにも解説してある、とのことで、「教科書的」に入れます。
実際元々ハンディ―ルーム自体が、大学の織りの専門学習用に作られたそうなので、教科書として使うことを想定されているのかと思います。

前からいずれハンディールームが欲しい!と思っていて、この本の存在も知っていました。
で、「全国裂織フェスタ2012」で製本に難があるとかで安売りしていたものですから、まだハンディルーム持ってなかったのに買いました(笑)。

内容は次の通り。

Part1 布の構造と組織図
Part2 布を織ってみよう
  1. 計画
  2. 機と道具
  3. 織の準備
  4. 織り終わったら
  5. 仕上げ
Part3 いろいろな織物組織
  1. 平織とその仲間
  2. 綾織とその仲間
  3. 朱子織とその仲間
  4. 特別組織(凹凸のある織物、レースのような織物(組織によるもの)、よこ糸でパターンをつくる織物)
  5. 指で織る
  6. 色糸効果
Part4 制作
キャンバス織のマフラー、サマー&ウィンター織のテーブルランナー、オーバーショット織のテーブルセンター、吉野綾・M's&O'sのブックカバー、平織・色糸効果のマフラー、サマー&ウィンターのクッション、よこ二重織りのラグ、パイル織と平織のチェアマット、レースブロンソン織のテーブルランナー、平織のティーマット、ワッフル織のピンクッション、綾織・色糸効果のマフラー、はち巣織のクッション、レノ織のランチョンマット
付録 糸
  • 繊維の分類表
  • 織り糸について
  • 糸の種類


数ページだけカラーページがありますが、基本的に本文は白黒の本です。白黒で困ることは特にないです。いいところにカラーが使われていると思います。

ハンディルーム以外にも使える…とはいえ、ハンディ―ルームをお持ちの方以外は使うことはないかなあ、という本ですね…。
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『VÄVBOKEN』

 2015-02-10
2005年3月の第一回北欧手工芸旅行の時に購入しました。
2005年の3月は、「がらくた織物工房」を始めていないので、旅行記がないですね。
「我楽多日誌」にはかろうじて軽く旅行記があります。

その時、この本はストックホルムの本屋にも、北方民族博物館にも、確かスカンセンにもあったのです。ヘルシンキの本屋にももしかしたらあったかも。

組織図とかがあるわけでもないので、最初に出会った時、二回目に出会った時は、買うのを見合わせたのですが、三度目だか四度目だかに出会った時には、これはもうきっと買えということね、と思って買いました(苦笑)。

組織図は載っていませんが、経糸始末の絵が大変わかりやすい、と思ったんですよ。

しかしご紹介もせず10年近く経ってしまったわけですが。
マヤさんの「マヤのスウェーデン織物留学」で、何かちょうどこの本が紹介されていたので、「よし、この機会に!」と思って紹介文を書きました(^^;。
マヤさんも「房処理の方法が掲載されていて」と書いておられる。やはりこの本で目を引くのは特に経糸の処理だということではないかと。

『手織り手紡ぎ工房 (ハンドクラフトシリーズ 152)』

 2014-11-19
4800400295手織り手紡ぎ工房 (ハンドクラフトシリーズ 152 特集版)
彦根 愛 馬場きみ
ルックナゥ 2012-11-26

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シリーズ名から言っても、『手織り工房 (ハンドクラフトシリーズ 146)』の仲間かと思うのですが、出版社が違いますね…。はて。

新・東京スピニングパーティー2013の記事に追記していますが、とっくに紹介していると思っていたのに、紹介していなかった本です。そして、気付いたならすぐ紹介すればいいものを、たらたら1年も書いていなかったら、絶版になっちゃったそうです(ニュースソースはひこねあいさんのブログです)。ひこねあいさんのブログで絶版になっちゃったと知ってからも、2カ月近く記事書いていないですね…。我ながらトロい…。

内容は、『手織りと手紡ぎ―豊かな暮らしを育む手作りの糸と織物』『手織り工房』の内容を、ぎゅぎゅっと詰めた感じ、でしょうか。


手紡ぎ
『手織りと手紡ぎ』の「手紡ぎ」の抜粋?という感じ。
手織り【入門編】
『手織りと手紡ぎ』の「初歩の手織り(2枚綜絖・リジットルーム)」の感じ。
手織り【基本編】
『手織りと手紡ぎ』の「本格的な手織り(4枚綜絖)」の感じ。「つづれ織り」と「ノッティング」とからみ織りじゃないレース織りも出ていますが(これらは、『手織りと手紡ぎ』に紹介されている項目です)。
手織り【応用編】
『手織りと手紡ぎ』の「本格的な手織り(4枚綜絖)」の後半部分と、『手織り工房』の感じ。


目次の項目だけみると、2冊合わせた内容のようです。『手織りと手紡ぎ』の再版リクエストにこの本で応えた、というようなことがひこねあいさんのブログに書かれていたので、そもそも目的がそうなのでしょう。
しかし、手紡ぎに関しては『手織りと手紡ぎ』の方が詳しいです。手紡ぎ系の要望は少なかったのでしょうか。
あと、再版のようなものといっても、掲載されている作品は、ほとんど新しくなっています。かなり盛りだくさんです。

『手織り大全』

 2011-09-26
4416811233手織り大全
箕輪直子
誠文堂新光社 2011-09-21

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『草木染め大全』と同様、著者のブログでずっと状況の報告があったので、発行が楽しみだった本です。
途中、組織図をExcelで塗り絵するのに苦労をなさっている記述があって、「こんなんありますけどー」と、作った組織図マクロを紹介したところ、思った以上に喜んでいただけて、沢山使っていただきました。おかげさまで本の中でもその組織図マクロについてご紹介いただいていますm(_ _)m。

さて、何だか力一杯名指しで「目次を全部ブログに書き出すのだろうか」と心配されて(?)しまいましたが、いや、『草木染め大全』は植物名を全部書きたかっただけで……(^^;。常に本の目次を全て書いているわけでは……。実際、書き上げてみたらあまりにも長かったので自重した例もあります……。

そんなわけで、『手織り大全』の中身。本の中心は織りの技法で、色々な技法が出てきます。特筆すべきはかなり多くの技法について、リジットルーム式の卓上織機ではどうすれば織れるかが書いてあることかな。あとは各技法について、作品例があるのと、技法の展開なども豊富に載っていること。それから、コラム欄も見逃せません。総じて見応えのある本となっています。その割に、写真や図が小さくなりすぎているところもなく、見やすいのもいいです。


織機について
高機 ろくろ式
高機 天秤式(ライラなど)
卓上 オープンリード(咲きおりなど)
卓上 クローズドリード(織美絵・タビールームなど)
卓上 多ソウコウ(ハンディルーム)
織りの構造
平織り・綾織り・組織図の書き方や組織図からのデザイン、織るのに便利な数式表など・綾織りバリエーション
織りの技法
織りの技法
縞・格子・色糸効果・浮き織り・はさみ織り・透かし織り・スペース織り・パイル織り・綴れ織り・二重織り・ベルト織り・カード織り・昼夜織り・絣・裂き織り・バウンド織り
役立つ技法
織り人に役立つ簡単ステッチ・房の始末と増毛・かぎ針を使う・布の形を変える・織機をつくる・エコな草木染め・変わり素材を使う・ウールならではの特性を生かす・変わり糸を使う

織機の構造
多ソウコウの織機・筬とソウコウ一体型の卓上織機(各織機での経糸をかけるまでの手順)
織りの技法
多ソウコウならではの織り方・オープンリードの卓上織機ならではの織り方・クローズドリードならではの織り方

その他の織り方
織りの技法
コイル織り・引き返し織り・メガネ織り・吉野織り・ワッフル織り

卓上織機で帯をつくる
パソコンで織り図を作成
織りの道具


作品例があると書きましたが、「これ作ってみましょう」というより「こんな風に作れますよ」という感じなので、自分でデザインして作品を作るのに適した本だと思います。応用力を養うのにもってこいかと。

『The Big Book of Weaving』

 2008-09-28
The Big Book of Weaving: Handweaving in the Swedish Tradition: Techniques, Patterns, Designs and MaterialsThe Big Book of Weaving: Handweaving in the Swedish Tradition: Techniques, Patterns, Designs and Materials
Laila Lundell

Trafalgar Square Pub 2008-05
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Amazonからメールで「オススメです」と勧められた本です。
英語で書いてあるスウェーデンの織りの本が手元にあったら、スウェーデン語の織りの本が理解しやすくなるかしら、と思わず買ってしまいました。
作者も手持ちの『STORA VÄVBOKEN』と同じ人だし。そもそも、STORA VÄVBOOKENって、BIG WEAVING BOOKらしいから、内容も近いかもしれないし、と思ったのです。

届いてみたら、表紙に「Also Known as Stora Vävboken」とわざわざ書いてありました……。つまり同じ本?表紙は全然違うのになあ、と思いつつ中身を確認すると。

技法の説明などの図は概ね同じようです。ただ英語版は赤黒2色になっていて、よりわかりやすくなっているように思います。
ですが、載っている作品は大分異なります。いくつかは同じものが載っていることを確認していますが(今のところ6つまでは確認できました)。

本の構成は(英語だからスウェーデン語よりはわかるということを差し引いても)『The Big Book of Weaving』の方がわかりやすいように思います。
# ていうか、もしかして、私が持っている
# 『STORA VÄVBOKEN』の改訂版が出ていて、
# それを英語訳したのでしょうか?

また、元がスウェーデンの本だからか、英語の本にしては珍しく、インチだけでなくセンチでもサイズが書いてあります。とても有難いです……。

内容は以下の通り。(太字は作品。[]内は技法です)

  • How Does a Loom Works?
  • Writing the Project Notes
  • The First Practice Weaving[Plain Weave]
  • Getting Started with a Practice Weaving(45頁!)
  • Kitchen Towels with Small Blocks[Plain Weave]
  • Band for Towel Hanging Loop[Warp-effect rep](バンド織りのリジットヘドルにて)
  • Striped Kitchen Hand Towels[Plain Weave with weft stripes in twill and broken twill]
  • Writing a Warp Sequence
  • Twill Rag Rug[Like-sided straight twill with 4 shafts]
  • Striped Pillows[Weft-effect broken twill]
  • Color-Effect Mohair Throw[Twill with hound's tooth color-effect]
  • A Small Alpaca Throw[Goose-eye]
  • Small Reverse-Treadled Rag Rug[6-shaft diamond twill, reverse treadling]
  • Finished after the Fabric has been cut from the Loom
  • Washing and Fabric Care
  • Choosing Materials
  • Rag Rugs
  • Choosing a Weaving Technique - The Pattern
  • Determining the Warp Sett
  • Choosing the Right Weft Density
  • Determining the Warp Spacing
  • How to Calculate the Materials for a Weaving
  • Cord-Striped Bags[Weft Cord]
  • Checked Fabric[Reinforced weft weave structure]
  • Long Table Runners in Rep Weave[Warp rep with color effects]
  • Analyzing a Weaving Technique
  • The Pattern Draft
  • Profile Drafts
  • Balancing Patterns
  • Large Checked Rep Rug[Warp-effect rep with color effect]
  • Rosepath Band[Rosepath lengthwise]
  • Cotton Summer Curtains[Plain weave and Swedish lace "mosquito lace" block]
  • Bags with Bead Panels[Three-treadle weave]
  • Large Alpaca Shawl[Lace and Plain weave]
  • Decorative Rosepath Weaving[Bound Rosepath]
  • Boa with Rya Knots[Block twill with rya knots]
  • Slit Rya for a Bench[Different-sided point twill with rya knots]
  • Dice-Weave Pillow[Pattern weft on plain weave background, sometimes called "dice-weave"
  • Double Width Throw[Double weave in basket weave]
  • Decorative Weaving with Paper Yarn[Plain weave with warp floats]
  • Paper Yarn Screen[Lace weave variation]
  • Warp-Printed Fabric[Plain weave[threaded on 4 shafts because of the tight sett]]
  • Half-Linen Mats[Half däll]
  • Inlay Rag RUg[Weft-effect rep with inlay of rya knots, loops, and HV-technique]
  • Old-Fashioned Weaving[Monk's Belt]
  • Rag Rug x 2[Weft enhanced plain weave]
  • Bathroom Mats[Block twill on 8 shafts]
  • Alpaca Scarf[Wavy twill on 8 shafts]
  • Four Decorative Sample Strips
  • Inlay Weaving Techniques(HV-Technique, Russian Weaving, DukagAaring;ng, Small dots Inlay, Large Dots Inlay, Loop Technique, Weaving Contour Figures, Kilim, Equilateral Joins in Norwegian Rölakan, Half Crabba, Soumak technique, Contour Threads for the soumak technique, Rya, Shadow Weaving, Serrations)
  • Transparent Interior Furnishing Fabric[HV-technique]
  • Furnishing Fabrics x 2[Livikas and Taqueté]
  • Room Divider[HV-technique]
  • Cotton Baby Blankets[Block double weave in tabby]
  • Linen Table Runners and Hand Towels[Dräll with 5 shaft satin background]
  • Coordinated Furnishing Fabrics
  • Colorful Pillows[Block double weave in plain weave]
  • Picnic Blanket[Block double weave in plain weave]
  • Woolen Baby Blanket[Block double weave in plain weave]
  • Weaving Tools
  • Additional Information about Measuring the Warp
  • A Closer Look at the Warping Process
  • How to Set Up a Countermarch Looms
  • General Checks and Adjustments - Before Weaving Begins
  • Considerations as You Weave
  • Special Arrangements for Particular Types of Weaving
  • Finding Mistakes
  • Problem while Weaving
  • Finishing

『STORA VÄVBOKEN』

 2008-05-15
STORA VÄVBOKEN
ISBN 91-534-1393-8
本体価格 312SEK(スウェーデン・クローナ)※ 2005/3購入時。
発行元(多分) ICA bokförlag Västerås
著者(多分) Laila Lundell
幅はA4、高さはA5より2cm位大きい、厚みは3cm
ハードカバー、360頁位

2005年3月の北欧手工芸の旅に出かける前に「せっかく行くんだから本を買ってきたいな!」と北欧の織りの本情報を探しました。
日本語のサイトに限定したのであまり巡りあえませんでしたが、唯一、アトリエ アンカーペグさんで、本を紹介されていました。
そのうちの、「スウェーデン織りを勉強するに当たって教科書とした本」と紹介されていたのがこの本です。
教科書だということだし、是非入手したい!……と思っていたら、めでたくストックホルムの本屋で入手することができました。

織り技法が色々載っているのもさることながら、わかりやすい図がとても多いことが特色だと思います。

『たのしい手織り』

 2005-10-01
たのしい手織りたのしい手織り

日本ヴォーグ社 1993-06
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※ この本は1993-06発行だそうですが、私の手元の本は第一刷が1976-05です。もしかすると内容が異なるかもしれません。(でも私が持っている本は10刷で1997-05発行なのですが)

本の中で使用している織り機
手織I号機、手織II号機(オリヴィエなどに似ていますが、筬密度は4目/1.1cmのみ、のようです。現在も販売されているものなのかどうかは不明)
2枚綜絖があれば、(密度は多少違うにしろ)他の織り機でも全ての作品が作成できます。リジットヘドル機でも勿論可能。
載っている技法
平織り(縞やチェック、かすり)、浮かし織、レイドイン織、織成、綴れ織り、もじり織り(からみ織り)、パイル織り(ルーピング、ノッティング)
載っている作品
縞やチェックのマフラー、段染め糸やリボンのマフラー、ロングベスト、茶羽織り、ショール、帯、ネクタイ・ベルト・バッグ、間仕切り、のれんと敷物(ランチョンマット、カーペット、テーブルセンター)、壁掛け。

1976年刊行とあって載っているモデルさんの髪型などが時代を感じさせて、ちょっと楽しいです。
しかし掲載されている作品の方は、作ってみたいようなものが多いです。
参考用語
あ行:筬、浮かし織り
か行:絣、からみ織り
さ行:織成、綜絖
た行:綴れ織り
な行:ノッティング
は行:パイル織り、平織り
ら行:リジットヘドル機、ルーピング、レイドイン織

『手織りと手紡ぎ―豊かな暮らしを育む手作りの糸と織物』

 2005-08-28
手織りと手紡ぎ―豊かな暮らしを育む手作りの糸と織物 (ハンドクラフトシリーズ (142))手織りと手紡ぎ―豊かな暮らしを育む手作りの糸と織物 (ハンドクラフトシリーズ (142))
彦根 愛 馬場 きみ

グラフ社 2000-10
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内容
手紡ぎ
  • 紡ぎ機の種類(アシュフォード・トラディショナル、アシュフォード・ジョイの紹介)
  • トラディショナルスコッチテンション(シングルドライブ)方式の組み立て方、ダブルドライブ方式のフライヤーの組み立て方
  • 紡ぎ方(単糸、双糸)、蒸す(撚り止め)
  • 羊の原毛について(加工状態、品種と太さ、原毛の扱い方と道具(カーダー)
  • 麻・木綿・絹の紡ぎ見本
  • 紡ぎ機のトラブルと対策

初歩の手織り(2枚綜絖・リジットルーム)
  • 卓上織り機の種類(2枚綜絖卓上織り機、アシュフォード・リジットルームの紹介)
  • リジットルームの組み立て方
  • 織りの道具
  • 織りの手順
  • 平織り作品例

本格的な手織り(4枚綜絖)
  • 種類(アジャカ4枚綜絖、アシュフォード・テーブルルーム、ろくろ式、天秤式)
  • アジャカ4枚綜絖の組み立て方、テーブルルームの組み立て方
  • 組織について(平織り、斜文織り(綾織り)、朱子織り)
  • 完全意匠図の書き方(ろくろ式・天秤式・レバー式)
  • 平織り・スペース織り(空き羽)・裂き織り
  • 平織り拡大法(ななこ織り・経畝織り・緯畝織り)
  • レース織り(からみ織り)
  • 浮き織り・織成・縫い取り
  • 変化組織混合法
  • 変化組織斜文(破れ斜文・山形斜文・曲がり斜文)
  • 組織と色糸効果
  • 組織の分解法(桃山織り)
  • 織り機のトラブルと対策
  • 作品例


その名の通り、紡ぎと織りの本。段階をおっていて非常に親切な本だと思います。説明のページもカラーでわかりやすいです。
特筆すべきは紡ぎ機や織り機の組み立て方が載っていること。該当する紡ぎ機・織り機を持っている人には参考になるでしょう。
私はアジャカ4枚綜絖を組み立てる時にとても参考にしました。(製品に添付の説明の紙一枚で組み立てるのはちょっと難しいです)

参考用語
あ行:浮き織り
か行:カーダー、からみ織り、完全意匠図、原毛
さ行:裂き織り、斜文織り、朱子織り、織成、シングルドライブ、スペース織り、綜絖、双糸、組織
た行:経畝織り、ダブルドライブ、単糸、天秤式
な行:ななこ織り、縫い取り
は行:平織り、フライヤー、変化組織、変化組織斜文(変化斜文織り)
ま行:曲がり斜文織り、桃山織り
や行:破れ斜文織り、山形斜文織り、緯畝織り
ら行:レバー式、ろくろ式

『ハンドウィービング―手織りの実習』

 2005-08-28
ハンドウィービング―手織りの実習ハンドウィービング―手織りの実習
浜野 義子

文化出版局 1984-09
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内容

  • 織りの歴史
  • 織りの用具
  • 織りの材料(繊維の種類、糸について)
  • 組織と組織図などの書き方のほか、以下の組織について:平織り、斜文織り(綾織り)、朱子織り、変化平織り(経畝織り、緯畝織り、ななこ織り)、変化斜文織り(伸び斜文織り、山形斜文織り(経山形斜文、緯山形斜文、ひし形斜文)、破れ斜文織り、曲がり斜文織り、飛び斜文織り、あじろ斜文織り)、変化朱子織り(変則朱子織り、ひろげ朱子織り)、特別組織(蜂巣織り、ハック織り、模紗織り、昼夜織り、混合組織(経吉野織り、緯吉野織り、経緯吉野織り))、二重織り(袋織り、倍幅、ピックアップ)
  • 手織りの工程
  • 技法の展開。木枠の使い方。綴れ織り(把釣、織成、ダブテイリング、インターロック、縫い取り)、パイル織り(ノッティング(トルコ結び、ペルシア結び、スパニッシュ結び)、ルーピング、スマック、チェイニング、トワイニング)、からみ織り。カードウィービング
  • 織りのデザイン
  • 染色(染料の種類、合成染料の糸染め、天然染料の糸染め)
  • 手紡ぎ(手紡ぎの素材、ウールの手紡ぎ(スピンドル、紡ぎ機))
  • 絣(絣の種類、技法の工程(緯絣、絵絣、経絣、すりこみ捺染))
  • 着尺と帯を織るための基本知識(主に寸法について)
  • 仕上げ(経糸の始末、織物の仕上げ)
  • 作例


手紡ぎ手織り教室で、教科書として使用していた本です。織り・染め・紡ぎの本。
構成がちょっとわかりにくいかなあ(見出しの大小関係がとりわけわかりにくいです)と思うことも多かったですが、探すとかなり色々なことが載っています。
染めはそこそこ載っていますが、紡ぎは物足りない感じです。基本的に織りの本です(まあ、タイトルからしてそうですが)。とりわけ4枚綜絖向けだと思います。


参考用語
あ行:あじろ斜文織り、インターロック、絵絣
か行:カードウィービング、絣、からみ織り、木枠、混合組織
さ行:斜文織り、朱子織り、織成、スパニッシュ結び、スピンドル、スマック、すりこみ捺染、組織、組織図
た行:経畝織り、経絣、経山形斜文、経緯吉野織り、経吉野織り、タブテイリング、チェイニング、昼夜織り、綴れ織り、特別組織、飛び斜文織り、トルコ結び、トワイニング
な行:ななこ織り、二重織り、縫い取り、ノッティング、伸び斜文織り
は行:倍幅、パイル織り、蜂巣織り、ハック織り、把釣(→スリット)、ひし形斜文、ピックアップ、平織り、ひろげ朱子織り、袋織り、ペルシア結び、変化斜文織り、変化朱子織り、変化平織り、変則朱子織り
ま行:曲がり斜文織り、模紗織り
や行:破れ斜文織り、山形斜文織り、緯畝織り、緯絣、緯吉野織り、緯山形斜文
ら行:ルーピング

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